【実例あり】事業資金調達の嘘と真実

情報が氾濫する資金調達の嘘と本当

裕福な家系にうまれていれば、事業資金調達はそれなりにハードルが下がるかもしれません。しかし、別にそうでなくとも事業資金調達は可能です。

資金調達コンサルタントK氏が過去に担当したこのような方がいます。

年齢は30代後半。ここ数年の所得金額はゼロで20代に貯めていた貯金を食いつぶすような生活を送っていた方です。貯金もなければ借金もない。保有不動産もなし。自己資金300万円を資本金に半年前に設立した会社を運営しているが、その期間で200万円の赤字を計上しており、毎月のキャッシュフローも赤字。

このような会社に銀行が融資すると思いますか?

なんとなく資金も乏しければ、業績も思わしくないので融資は断りたくなるような先ですよね。

しかし、上記の方は400万円の融資を受けることに成功し、返済実績を重ねることで築いた信用で今後のプロパーでの借り増しを約束されています。

なぜ、この方が事業資金を調達できたのか。

事業計画書・試算表を作り上げ、商工会議所を積極的に活用することで精度を高め、資金調達という目標に真っ直ぐ向きあいながら、関係各所の担当者さんとの信頼関係の構築を心がけたことが理由です。

借入申込時のあなたの資産状況より、あなたという人間をしっかりと観察されていることを自覚することが大切です。

自己資金に乏しいから借り入れられないというのはほぼデマです。

しかし、“希望金額が借りられない”という意味合いでは真実です。

上記の方の場合、実質的に自己資金100万円で月間収支マイナスにもかかわらず、400万円の融資を受けておられるわけですから。

以下では、この方(Aさんと呼びます)を例にとりながら、これまでご説明してきた内容を照らし合わせていきます。

事業資金調達コンサルタントが語る実例

事業コンサルタントのK氏が担当したAさんが、融資対象としては魅力に乏しい状況から融資獲得成功した道のりについてK氏に寄稿いただきました。

Aさんの個人的状況については上記した通りです。融資申し込み時点で行っていた事業も赤字続きでした。

Aさんが事業資金調達を志した理由は、ネット関連事業を新規事業として展開したい、自己資金が完全に枯渇する前に運転資金を確保したいとのものです。

彼が設立したサービス業を展開する法人は資本金300万円で設立から8カ月程度であり、創業費や当初の設備投資を含めて既に200万円近くの赤字を計上しておりました。毎月赤字であり、そのまま行けば半年以内に資金が枯渇してしまっていたことでしょう。

時間が経てば経つほど自己資金が目減りしてしまうので、余計に融資が厳しくなってしまいますので急ピッチで準備を進めました。

設立間もないので創業関連融資からの資金調達を目指しました。

まずは事業計画書の作成です。ネット関連事業を柱に据えながら、Wordで彼の計画を記していきます。この作業はそこまで時間はかかりません。熱意を持って自身の計画をわかりやすく説明しながら、最終調整として体裁を整える程度です。

次に、試算表の作成です。

当初、500万円の資金調達を目指していたので、700万円の調達が必要な理由を数字で説明していきました。

数字は創れるものですし、現実的な範囲内で数字を創ったところであなたの信用を棄損することもありません。融資申込者が提出する試算表の数字を盛っていることなど、銀行担当者は前提として捉えているくらいです。誰でもやっています

一通りの資料が完成次第、Aさんと商工会議所へ同行し、事業計画についてのアドバイスをいただきにまいりました。隣で聞きながら、Aさんの計画説明にはたどたどしさを感じたものであり、その後を考えても良いリハーサルの機会となりました。

商工会議所担当者さんから「事業規模を考えれば700万円もいらないのでは」との指摘も受け、その他指摘事項も含めた修正を行いながら、500万円の融資申込をするための資料へと精度を高めていきました。この過程では3度、商工会議所にお世話になりました。

商工会議所とともに作成した資料を持って、Aさんは借入候補の第一希望としていた日本政策金融公庫へと融資の相談に向かいます。

なぜAさんが同行を第一希望としていたのか。

それは“無担保であり、連帯保証人不要”だったためです。Aさんの場合、提供できるような担保は有りませんでしたし、何より法人設立済みであったため、借入時の名義人が法人名となることでAさん自身には何のリスクも及ばないと考えていたためです。

新創業融資制度の創業要件にも、“事業開始後税務申告を2期終えていない方”と明記されています。その他要件についても人員採用を伴うものであったので“雇用を創出する事業”であり、自己資金も設立当初の30%以上は残っておりましたので“10分の1以上の自己資金を確認できる”など、この融資制度すべての要件に該当します。

事業計画書・試算表は商工会議所でブラッシュアップしたものであり、他者への事業説明も上達していたAさんはすんなり通るかと思いきや、結果はそうではありませんでした。

政策金融公庫の担当者の対応も「配偶者の通帳の写しを提出してほしい」など、融資制度の本来の趣旨から乖離したものが目立ちました。

結局、申し込み段階から断る気で対応されていたのでしょう

政府が100%出資している政策金融公庫は、いわば税金運用先に他ならず、取りっぱぐれは許されないことが理由でしょう。

Aさんの思惑どおりに手続きが進めば、万が一の場合には確実に取りっぱぐれを起こしてしまいます。

Aさんが創業から6カ月すべて赤字となっていたことは直接的な要因にはなりません。

お金がないから融資を願い出るのであって、儲かっていればそもそも融資など必要ありませんから、銀行もわかっています。

Aさんが抱えていた毎月の赤字は平均20万円程度、サービス業なので利益率は高く、少しでも好転すればすぐに売上でひっくり返せるものでした。

最終的に政策金融公庫から断りを告げられた際、理由を尋ねてみれば、「インターネット関連事業については情報量が少なく、先々の数字が読めないから」とのことでした。

この直後、Aさんはアドバイスに従って地元信金へと足を運び、融資申込をおこない、それから1カ月もしないうちに融資実行されました。

商工会議所を経由していたので、話がすごくスムーズに進みます。

信金担当者さんと商工会議所の担当者さんの間ですぐに話が進み、彼らが保証協会担当者さんと掛け合ってくれます。当初は保証協会側も「事業規模を考えれば200万円前後」との姿勢でしたが、最終的に倍額の400万円を保証する流れとなり、以降の不足分は信金がプロパーで追加融資を行ってくれることとなりました。

このAさんのような資金調達活動はインターネットの情報を頼りにしていてはなかなかできないものです

政策金融公庫に断られた時点で、多くの方が立ち止まってしまうものではないでしょうか。

事業計画がおかしかったのかと見直した結果、修正要素がなかなか見つからなかったり、自分の信用のなさを痛感して熱意が失われかけたり・・

単純に事業計画書のブラッシュアップを目的とするだけでも良いので、私の経験上、まずは商工会議所であなたの事業計画を見てもらうことがその後に良い効果をもたらすといえます。

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