ある良心的ではない弁護士の話。
弁護士にもいろいろな方がいますが、今回はある良心的ではない弁護士について書いてみようと思います。
Aさんが依頼した案件は、相続放棄審判でした。
通常であれば、3カ月以内に放棄手続きをすればいいので弁護士にわざわざ依頼する人も少ないでしょうが、Aさんの場合、気付いた頃には5カ月経過しており、その理由も突然に故人の債務であったと私に請求書が送られてきたことをきっかけに気付いた次第です。
そこに記載された金額は、かなり高額であり故人の相続資産をはるかに超えたものだったため、3カ月の期間経過後ではあるものの相続放棄手続きを家庭裁判所へ申請したのです。
当初は自分で対応するつもりでしたが、審判を受けていく過程において、裁判官より弁護士を介するよう薦められたため、その指示に従うこととし、人づてに紹介を受けた弁護士へと案件を任せる運びとなったのです。
時期は年末へと差し掛かっており、次回の審判が年明け早々に予定されていたのですが、その弁護士から受けた電話に耳を疑うこととなりました。
「忙しいから、下書きを玄関の傘立ての下に置いておくので、それを持っていって、清書して出して」
と言うわけです。
相続放棄など安い法律行為だからか、と思いつつ、言われた通りに書類を受け取りに行ったところ、2枚程度のA4用紙が傘立ての下に。
しかも、書式をとっておらず、文面のみの記述だけです。
しかたなく清書しようとしたところ、事実関係の記述部分に間違いを発見したため、半分以上は手直しして書くこととなりました。
年が明け、審判が終わった後、この弁護士から電話を受けて話を聞いてみると、「経済的利益はかなり大きいと思うので、放棄が認められたら成功報酬の部分はお話させてください!」とのこと。
もちろん納得できるはずもなく、一連の流れを説明したところ、「あ~、わかりました・・。はい。」とガチャ切りの始末です。
この弁護士さんは某都道府県の弁護士会の要職をやっています。
負けたくせに成功報酬??
Aさんは上記の事件の絡みで、一件の裁判があったのですが、別の弁護士に任せていたところ全面敗訴となりました。
形式上の裁判でもあったため、相手もいくらか穏便なのは知っていたのですが、その弁護士曰く「なんとか抑えてもらい、この金額を支払うことで和解しようということになりました。」とのことです。
流れはそのまま受け止められるとしても、その後に弁護士は口にしたのは、「和解交渉に成功したので成功報酬として20万円を」との内容です。
全面敗訴で、いったい何に成功したというのでしょうか。
もちろん、「あなたは何も成功していません。依頼した結果、失敗しています。」と返答し、支払いを拒絶したところ、何も続けることはありませんでした。
弁護士にもいろいろおり、素晴らしい先生もいらっしゃれば、世間の常識として請求すべきでない物事でも請求をかけてくる弁護士もいるということを知っていただければと思います。
弁護士が払えというものはすべて払わなければならないわけでもありません。
しっかりと納得いく説明を受けながら、弁護士が主張する報酬を支払うべきかどうか自分なりに考えていくことが大切です。