関係性がこじれた債務者との交渉方法のコツ
債権者と債務者が仲良く話し合いを重ねていくことなどほぼ不可能です。もちろん例外はありますが、大概の場合において、お金を返さない債務者を相手に債権者がプッチンとなって厳しい言葉を羅列した結果、どうにも手立てがない債務者が態度を硬化してしまうこととなるでしょう。
債権者が怒る場合、その債務は履行可能な範囲内であることが多いものです。
分割払いとすれば、決して払えない金額ではないことでしょう。
しかし、それを一括でとなれば厳しいものです。
このようなちょっとした矛盾が債権者の心情に芽生え、“返せる範囲内の金額なんだから、すぐに何とかしろ!”となってしまうわけであり、早々に関係性を解消したい一心から“一括で!!”と債務者を突き放してしまいがちです。
実際のところ、債権者にとって債務者との距離を置くような言動をすることにメリットは何一つありません。
法的措置で解決できる相手であれば、そこまで問題はこじれないのです。
差し押さえるような財産さえないため、今後の弁済について話し合わなければならないのです。

感情的になって債務者を突き放してしまった場合、その後にどういったアプローチをかけようかと頭を悩ませてしまうことでしょう。
用意していた話法が空振りとなっているから、そうなっているわけであり、債務者への新たなアプローチ方法がなかなか見つからないものです。
ストレスを感じる内容であるだけに、債務者との距離が空いてしまえば余計にコンタクトが取りづらくなってしまうものです。
このようなときにおススメなのが第3者の活用です。
弁護士を使うということではありません。
弁護士に依頼したところで、民事であれば払わない人間の勝ちです。
債権者と債務者のあいだへ入れるべき脇役を選定し、その人に台本通りの役回りを演じてもらうのです。
債権回収のコツはストーリー構成にあり!
債権者との関係性がこじれてしまえば、いくら強気に装っていても債務者は不安ばかりを感じてしまうものです。
誰かを頼りたくても、頼ることのできるような人もいないため、逃げ場さえ見つけられない状況にあります。
ここで、債務者に解決法を提示する第3者を投入してやるのです。
可能であれば、債権者・債務者ともに顔を知った相手がベストです。
どうしてもいなければ、そうでない方でも人選次第でいい役を演じてくれます。
さて、どのようなストーリーを組むかですが、基本的には下記の要点を取り入れたものとしておけばいいでしょう。
2、債務者であるあなたが心配になって立ち寄った
3、間を取り持ってあげるから、しっかりと債権者と話していきましょう
おおまかな説明ですが、要は“世話焼きが債務者のケアを担当する”ようなストーリーとしていくわけです。
誰かに頼りたい、今後生きていくために債権者との問題をどうにかしたい、と思っている債務者であれば結構、話に乗ってきますので是非お試しください。
「お前に関係ないだろう?」とモノ申してくるような債務者であれば通用しませんが、そういった相手であれば粛々と法的措置を進めるか、残念ながら泣き寝入りといった結末となることでしょう。
このような相手であっても、交渉再開の材料として考えるならば、第3者を投入することは決して無意味なものではありません。
これまでご紹介してきた債務者交渉のコツの根本にあるコンセプトはひとつです。
債務者が現在、どのような心境にあるのか、をイメージしてそこを突いていくのです。
人間、誰もが平穏に暮らしていきたいものですので、それが実現するためのきっかけづくりを意識していけば、より良い結果を引き出していくことができるでしょう。