債権者のタイプ別に心境をイメージしてみよう
債権者とのやり取りを重ねていたある日、法的措置や差し押さえといったメッセージが届けられるかもしれません。
これらは債権者が“満足していません!”という意思表示をしているものであり、単なる脅し文句なのか、実際にそのようなリスクが目前に迫っているのか考えさせられることとなります。
基本的に債権者は諦めません。
願うは全額回収であり、それが叶わなくても相応の金銭支払いを受けることで和解を望んでいるものです。
嵐が通り過ぎるまで・・といった考えは通用しませんので、自分自身が引き起こしてしまったマネートラブルには真っ直ぐに向き合っていきましょう。
しかし、支払いができない状況下であれば、債権者への連絡事項さえありませんので、どうしても受け身となっていってしまいます。
この結果、待つことにストレスを感じる債権者が差し押さえや法的措置の示唆をしながら、あなたへとメッセージを届けてくる流れとなります。
さて、これらのメッセージが本気のものであるか、ただの脅し文句に過ぎないのかは、債権者のタイプ別に心情をイメージすることで彼らのアプローチ方法における本気度合いがイメージしやすくなります。
債権者が個人・一般的な法人である場合
支払いが受けられない場合、繰り返し督促をしてきます。
その過程でどうしても頭をよぎるのは”このまま踏み倒される可能性”です。
これを一番恐れています。
債務者であるアナタの財産の在りかが把握できなければ法的措置もできません。
専門家に依頼しようにも、アナタの財産がどこにあるか見当がつかなければ難しいのです。
変に依頼してしまった結果、回収もできないのに着手金や諸経費など費用負担が膨らんでも困ります。
万が一、アナタに自己破産されてしまえば全額回収できません。
金額にもよりますが、どうにか回収していくためには債務者との話し合いを優先したほうが債権者にとっては費用面でベターです。
法的措置によって遺恨も残したくないですし、それらの方法が有効であるかどうかも自信を持ってない場合が殆どです。
以上より、法的措置に踏み込んでいくまでは相応の時間を見ているのが普通です。
但し、金額が大きい場合であり、あなたが支払い可能な人間であると思われていれば、この限りではありません。
特に不法行為による賠償請求などであれば、感情が強く働いていますので即座に法的措置へと移行される可能性は危惧しておくべきでしょう。
銀行など金融機関
彼らがあなたへ支払督促をかける方法はとにかく仕事上の都合によります。
支払いが完全に停滞してしまったからと言って放置もできません。
仕事ですから書類上スッキリさせたいのです。
アナタへの支払督促も担当者が仕事として内部マニュアルに従い処理しているものです。
預金者から預かったおカネで運営しているわけですから、支払いを受けられる見込みの薄い状況で担当者の心情などは働きにくく、全てはマニュアル通りに動き、期限までに白黒ハッキリさせることを目的に進みます。
自己破産を求めてくる場合もスッキリしたいからに他なりません。
書類上、債務者であるアナタが自己破産したということが一番スムーズに処理できますから、あなた相手に回収できなかった金額についてはすでに損失処理し終えている場合が多いです。
税務署や社会保険庁など公的機関
こちらもとにかく仕事でやっているだけです。
金融機関と似たような心情ではありますが、税金滞納の場合には「とにかく払え! いくらなら払えるの?」といった具合に支払い要請の一点張りです。
自己破産しても税金は消えませんから、一般的な金銭債権者と心情は異なってきます。
時間がかかっても、自分たちが納得できる結果を得られるまで督促業務を継続してきます。
日本国民である以上、納税は義務付けられているので払わないほうが悪いのはわかっていても、もっと事情を汲んでほしいと債務者が思うような対応となります。
まさに“the 役人”といった対応となりますので、期日は明確なものとなっており、以降は職権によって機械的な対応を金額にかかわらず仕掛けてきます。
これまでご紹介してきましたように、債権者の債務者へのアプローチ方法については感情がどれほど入るかによって決まってくるものといえます。
結局、自分が債務者として金銭トラブルを引き起こしてしまった場合には真っ直ぐに向き合っていかなければなりません。
銀行や役所が仕事として督促しているからといっても、担当者もまた人間ですので、あなたが真っ直ぐに向き合っていくことで解決の方向へと導いてくれることもあります。
とにかく逃げないこと!
これを深く心に刻み込んでください。